保護者の方へ|不登校と回復
「学校へ行ける」がゴールではない
本当の回復とは?
「学校へ行けるようになれば、この子は元気になったと言えるのでしょうか?」
不登校になると、「学校へ戻ること」が自然と目標になります。
不登校の回復は、学校へ行けるようになることだけではありません。
その子らしさが少しずつ戻ること、安心して過ごせる場所が増えること、自分で「やってみよう」と決められること。そうした小さな変化の積み重ねが、本当の回復につながっていきます。
カテゴリー:不登校・回復支援
読了時間:約6分
不登校の回復を「学校へ行けたかどうか」だけで測らない
不登校になると、多くの保護者は学校へ行ける日を待ち続けます。
「明日は行けるかもしれない」
「来週からなら行けるかもしれない」
そう願う気持ちは、お子さんを大切に思うからこそ生まれるものです。
しかし、その思いが強くなるほど、「学校へ行けたかどうか」だけが回復の物差しになってしまうことがあります。
今日は外出できた。でも学校には行けなかった。
友達とは話せた。でも教室には入れなかった。
本当は前に進んでいるのに、その歩みが見えなくなってしまうことがあります。
回復とは「その子らしさ」が戻ってくること
では、本当の回復とは何でしょうか。
私は、「その子らしさが少しずつ戻ってくること」だと考えています。
- 以前は好きだった音楽をまた聴くようになった
- 家族と笑い合う時間が増えた
- 「お腹すいた」と自分から言えるようになった
- 新しいことに興味を持ち始めた
一見すると、学校とは関係のないことばかりです。しかし、こうした変化は、心に少しずつ余裕が戻ってきた証でもあります。
「できること」より「安心できること」
回復期の子どもたちを見ていると、「何ができるようになったか」以上に、「どこで安心できるか」がとても大切だと感じます。
安心して眠れる。
安心して食事ができる。
安心して家族と過ごせる。
安心して「今日は疲れた」と言える。
こうした安心感は目には見えませんが、人が新しい一歩を踏み出すための土台になります。
回復には「自分で決める経験」が欠かせない
もう一つ大切にしたいことは、子ども自身が「自分で決める経験」です。
「今日は散歩に行ってみよう」
「午後からなら外に出られそう」
「この学校なら話を聞いてみたい」
こうした小さな選択を自分で積み重ねることで、「自分にもできる」という感覚が育っていきます。
回復とは、誰かに引っ張ってもらうことではなく、自分の意思で歩き始めることでもあるのです。
「学校へ行けるようになったのに苦しい」こともある
学校へ復帰した後に再び苦しさを感じる子どももいます。
「また休んではいけない」「みんなに追いつかなければ」と無理を重ね、心も体も疲れてしまうことがあります。
本当の回復とは「学校へ戻ること」ではなく、安心して自分らしく生活できること。
通信制高校や定時制高校、フリースクールなど、自分に合った環境を選ぶことも大切な選択です。
未来へ進むための力
不登校になると、「学校へ戻れるかどうか」に目が向きやすくなります。
ですが、子どもたちは毎日の生活の中で、小さな回復を積み重ねています。
- 少し笑えるようになった
- 自分から話しかけてくれた
- 好きなことに夢中になれた
そうした変化は、決して遠回りではありません。むしろ、その一つひとつが、未来へ進むための力になっています。
代々木高等学院が大切にしていること
代々木高等学院では、「学校へ行けたかどうか」だけで回復を判断しません。
安心して過ごせること、自分らしさが戻ること、自分で次の一歩を選べることを大切にしながら、一人ひとりに合った学び方を一緒に考えています。
保護者の方だけでもご相談いただけます
執筆者
代々木高等学院 社会福祉士 建元大吾


