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子どもを他の子と比べない関わり方|一人ひとりの違いを尊重する「個別化」

保護者の方へ|子どもとの関わり方

子どもを他の子と比べない関わり方
一人ひとりの違いを尊重する「個別化」

子どもを他の誰とも比べず、その子自身を理解して関わる「個別化」について考えます。

執筆:代々木高等学院 社会福祉士 建元大吾
カテゴリー:子どもとの関わり方・保護者支援
読了時間:約6分

子どもを比べてしまう言葉

バイスティックの7つの原則についてこれまでお話をしてきましたが、今回が最後になります。

最後のテーマは「個別化」です。

子育てをしていると、ついこんなことを思ったり言ってしまうことはないでしょうか?

「もう〇歳なんだから、これくらいはできるはず」

「弟はできたのに、お兄ちゃんはどうしてできないの?」

「おともだちの〇〇ちゃんはできるのに、なんでできないの?」

個別化とは

ソーシャルワークには、「個別化(こべつか)」という大切な原則があります。

個別化というと仰々しいですが、これはつまり

「目の前の子どもを、他の誰とも比べずに理解し、関わること」

ということです。

個別化は特別扱いや甘やかしではない

こう言うと、「特別扱い」だと思う人もいるかもしれません。

ですが、「個別化」とは「特別扱い」ではありません

その子の「わがまま」を許すこととも違いますし、単に「甘やかす」ということでもありません。

個別化とは、子どもを一人の「個人」として尊重し、性格、考え方、感じ方、成育歴、不安、困りごと、を理解するというものです。

同じ年齢、同じ学校、同じ性別でも、一人ひとりは違います。

その違いを「前提」に関わることが、「個別化」なのです。

宿題をやらない子どもの場合

例えば、「宿題をやらない子」に対して

「何回言ったら宿題やるの!」

「みんなちゃんとやってるよ!」

「宿題やらないならスマホ禁止!」

といった声掛けをするとします。一見、正しい声かけのように思えますが、ここには

「なぜやらないのか・できないのか」という視点がありません。

「宿題をやらない子」を個別化の視点で見ると、「宿題をやらない」にも理由はさまざまです。

  • 問題が分からなくてできない
  • 完璧にやらなきゃと思って進まない
  • 学校でいろいろあって集中できない
  • 板書が苦手でそもそも内容が分からない

これ以外にも理由はいくつもあるでしょう。

親の目線から見ると、「やる気がない」だけと思ってしまうこともあるでしょう。ですが、そこには隠れた「つまずきの理由」があるかもしれません。

ちなみに、こんな声かけの仕方はどうでしょうか

「宿題、難しいの?」

「どこで止まってる?」

「分からないところある?一緒に見てみようか」

「一緒に1問だけやってみる?」

子ども一人ひとりによって“つまずき方”は様々です。

そのつまずきに合わせて関わることが、「個別化」なのです。

学校に行きたがらない子どもの場合

では、もう一つ例を挙げてみます。「学校に行きたがらない子」に対して

「他のみんなは嫌でも我慢して行ってるよ」

「このままだと将来困るよ」

「言い訳はいいからとにかく行きなさい」

子どもが学校へ行きたがらないとき、親としては不安だと思います。仕事があったりすると余計に焦るでしょう。そんな時、上のような言葉をかけてしまうかもしれません。

ですが、こういったある種「突き放す」ような言葉は、子どもにとって「なにを言っても分かってもらえない」と感じる契機になることもあるのです。

「学校に行けない」という行動にどんな「つまずき」が隠れているのでしょうか?

もしかしたら、こんなことがあるかもしれません。

  • 朝になると頭痛や腹痛など体調が悪くなる
  • 教室に居場所がなく、行くだけでつらい
  • 先生との関係に不安がある
  • 失敗体験が積み重なって嫌になってしまった

「個別化」の視点で見れば、「学校に行けない」という行動にも固有の理由があります。

その子に合う選択肢を一緒に探す

その場ですぐに「行く・行かない」の二択を迫ったり、「行かせる・行かせない」を親が判断したりするのではなく、こんな声かけに変えてみてはどうでしょうか?

「朝になると、どんな感じ?」

「一番しんどい時間っていつ?」

「朝からじゃなくて、午後だけならどう?」

判断や評価を親基準にするのではなく、その子の感じ方を基準に話を進めます。

「教室は難しいけれど、別室なら行ける」

「朝は無理だけど、3時間目ぐらいからなら大丈夫」

こうした選択肢を一緒に探すのも、個別化なのです。

その子自身のペースを信じる

個別化は、一人ひとりが決して同じではないということを念頭に、「その子自身のペースを信じること」が重要です。

個別化を意識した関わりは、時に遠回りに見えるかもしれません。

ただ、その子に合わない方法で無理に進ませる方が、結果的に時間がかかることも多いというのも事実なのだと思います。

「できない・やらない」=「なまけている」と決めつけない

「他の子のできること」=「自分の子にもできる」という考えを押し付けない

どんなに小さな変化やほんの少しの前進を見逃さない

これらすべてが、「個別化」という考え方の姿勢なのです。

代々木高等学院が大切にしていること

代々木高等学院では、生徒の言葉や行動だけを評価するのではなく、その背景にある気持ちや事情を理解することを大切にしています。

一人ひとりの状態やペースに合わせながら、これからの学び方や過ごし方、進路について一緒に考えていきます。

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執筆者

代々木高等学院 社会福祉士 建元大吾

※この記事は、子どもとの関わり方について一つの考え方をお伝えするものです。お子さまの状態やご家庭の状況によって、適切な対応は異なります。対応に迷われた場合は、学校や専門機関などへご相談ください。

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