保護者の方へ|不登校と心身のサイン
朝起きられないのは甘え?それともSOS?
見逃したくない子どものからだのサイン
「夜は元気そうなのに、朝になると起きられない」「何度声をかけても布団から出てこない」。
そんな姿を見ると、「怠けているだけなのではないか」「本当に体調が悪いのだろうか」と迷うことがあります。
今回は、不登校の子どもに見られる「朝起きられない」という状態を、心と体の両面から考えます。
カテゴリー:不登校・保護者支援
読了時間:約7分
朝起きられない子どもは「甘え」とは言い切れない
まず知っていただきたいのは、「朝起きられない=やる気がない」「=甘えている」ではない場合が多いということです。
もちろん、本人も「起きなければいけない」という気持ちを持っています。それでも体が動かなかったり、起きようとすると気分が悪くなったりすることがあります。
- 強い疲労感
- 睡眠リズムの乱れ
- 学校への不安や緊張
- 心身のエネルギー不足
見た目には元気そうに見えても、心や体は想像以上に疲れていることがあります。
「学校の日だけ起きられない」は重要なサイン
「休日は起きられるのに、学校の日だけ起きられない」というケースがあります。
この場合、「起きられるなら学校にも行けるはず」と考えてしまいがちです。しかし、学校に対する不安やストレスが強い場合、朝になると心と体に大きな負担がかかることがあります。
- 教室に入ることへの不安
- 友人関係の悩み
- 勉強へのプレッシャー
- 周囲の目への緊張
こうしたストレスが積み重なることで、朝になるほど体が動かなくなってしまうことがあります。
起立性調節障害という可能性も
朝起きられない理由として、「起立性調節障害(OD)」が関係している場合もあります。
起立性調節障害は、自律神経の働きがうまくいかず、立ち上がった際に血圧や心拍数の調整が難しくなる状態です。
- 朝なかなか起きられない
- 起きると頭痛やめまいがする
- 立ちくらみがある
- 午前中は調子が悪いが午後になると元気になる
- 強い倦怠感が続く
もちろん、朝起きられない原因がすべて起立性調節障害というわけではありません。ただ、「気持ちの問題」と決めつけず、身体的な要因の可能性も視野に入れることが大切です。
朝の体調不良が続く、頭痛やめまいを頻繁に訴える、午前中だけ極端に調子が悪いといった場合は、小児科などの医療機関へ相談することも選択肢の一つです。
見逃したくないSOSのサイン
□ 以前より疲れやすくなった
□ 表情が暗くなった
□ 頭痛や腹痛が増えた
□ 自分を責める言葉が増えた
□ 昼夜逆転が長期間続いている
こうしたサインは、心や体が助けを求めているサインかもしれません。
保護者ができる関わり方
朝起きられない姿を見ると、「早く起きなさい」「いつまで寝ているの」と言いたくなることもあるでしょう。
しかし、本人も起きられないことに苦しんでいる場合があります。
- 起きたことを認める
- 生活を支える
- 責めない
「おはよう」
「起きられたね」
そんな短い声かけでも十分です。
生活リズムだけを目標にしない
生活リズムは大切ですが、生活リズムが整えばすべて解決するわけではありません。
- 安心できる環境
- 十分な休息
- 信頼できる人とのつながり
こうしたものが整うことで、結果として生活リズムが改善していくケースもあります。
SOSのサインを見逃さない
朝起きられない姿を見ると、保護者として不安になるのは当然です。ですが、その状態は「怠け」ではなく、心や体からのSOSである場合があります。
また、心の疲れだけでなく、起立性調節障害など身体的な要因が関係していることもあります。
「甘えている」「やる気がない」と決めつけるのではなく、「なぜ起きられないのだろう」という視点を持つことが大切です。
まずは安心して休める環境を整えること。そして、小さな変化や回復のサインを見逃さないこと。朝起きることだけにとらわれず、お子さんの心と体の状態に目を向けながら、一歩ずつ歩んでいければ十分です。
保護者の方だけでもご相談いただけます
執筆者
代々木高等学院 社会福祉士 建元大吾


